Sub 2 「マグカップ買うんですか?」 「おう。…準備室で使ってたやつ、この前割っちまったんだ。」 雑貨屋の陶器コーナーで、センセは真剣な顔でカップを見ている。 …パステルカラーのマグカップは確かに可愛いけど、センセには似合わないんじゃないだろうか。 しかもグリーンはまだしも、ピンクはよせ。 右手の愛らしいピンクのマグを置け。 センセがそれ使うの、見たくないよ。 「…センセ。」 「んー?」 すっかりマグカップに気をとられているセンセは、一応返事はするけれど、こっちを見ようともしない。 マグカップ一つに、真剣そのもの。 …子供か。 「…ね、見て。あの人…」 「うわ…凄いイケメン。」 …ん? センセの後ろで、ぼーっと待ってたオレの後ろから、興奮気味の女の人達の声が聞こえた。 ちら、と見ると、OLっぽい若いお姉さん2人が、頬を赤く染めながら、桐生センセを見ていた。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |