Sub 笑顔の法則[青さん&凛] 「「っしょ!!」」 「よっしゃ。」 「あぅ……。」 変な声をあげながら、白熱するジャンケン大会を、オレは頬杖をつきながら傍観していた。 …アホらし。 たかがケーキ一つで、何をそこまで必死になる事があるんだ。 ことの起こりは、10分前、マコさんが貰ってきたケーキから始まった。 そのケーキは、オレからしたら、ごく普通の甘ったるいケーキなのだが、甘党の陰と白虎にとっては、かなり価値のあるものらしい。 戦いに敗れ、とぼとぼと陰がこちらへ歩いてきた。 「……ケーキ一つで、落ち込みすぎだろ。」 「……ただのケーキじゃないんです。開店と同時に売り切れちゃうような、限定品……いわば幻の一品なのに。」 暗い顔で陰は、オレの隣に座った。 …まぁ、いつもはオレらに譲るような陰が、白虎と戦う位だからな。 相当食いたかったんだろうなぁ…。 「…陰。」 「…は、…痛ッ」 苦笑しながら、オレは陰のデコをピンと弾いた。 「…うちの妹が、ケーキ焼くっつってた。…有名店のケーキには程遠いだろうが…来るか?」 「!!…行きますっ!!」 陰は、パアッと顔を輝かせ、席を立ったオレの後をついてきた。 手作り×2♪と、嬉しそうに呟いている。 現金だな、と笑いそうになり、それはオレもか、と苦笑にかえた。 お前が笑うと、オレも笑いたくなる。 そんな笑顔の法則の、話。 END [*前へ][次へ#] [戻る] |