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誠さんは、ますます目を見開き、青さんは、呆気にとられたように、フリーズした。
「………それは、また…」
珍しいな、と苦笑する誠さんに、青さんも頷く。
「…つか、お前と総長って、喧嘩すんだな……。」
「……初、です。」
ボソリと呟くと、慰めるように、少々乱暴な仕草で、髪を掻き混ぜられた。
「…理由、聞いてもいいか?」
誠さんは、優しい声で、そう聞いてきた。
オレは少し間を開けて、頷く。
「……昨日、誕生日だったんです。」
オレが端的に呟くと、青さんは、誕生日?、とオレの言葉を繰り返した。
「……誕生日って、お前の?」
青さんの疑問に、オレはフルフルと、緩くかぶりを振った。
「……黒さんの、です。」
「……総長の?」
そうなのだ。
昨日が、誕生日。
――昨日、が。
「…ガキ臭い我が儘は、承知してます。……でも、オレは教えて欲しかった。……お祝い、したかった。」
ずっと前から、教えて下さいって言ってたのに。
何だかんだではぐらかされて、教えてもらえないままで。
漸く教えてくれたと思ったら、…昨日って!!
昨日にはもう戻れない。
また来年も来るけれど。
今年の誕生日は、おめでとうも言えないまま、過ぎてしまった。
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