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大切な日の過ごし方。
「何で言ってくれなかったんですか!?」
今聞いた黒さんの言葉に、オレは思わずそう食って掛かってしまった。
責めるような事では無いのに、非難めいた口調になる自分が嫌になる。
でも、聞き流す事は出来なかった。
黒さんは困ったように、ガリガリと頭をかきながら、視線を彷徨わせる。
「…あー。…忘れてたんだよ。」
漸く出てきた言葉は、黒さんらしくなく、曖昧で、信憑性が無い。
誤魔化されているようで、オレの中の苛々は、膨張していく。
宥めすかすみたいに、黒さんは、オレの頭を軽くポンと叩いた。
「…そんな怒るなよ。大した事じゃねぇだろ?」
「っ!」
バッ
そのセリフを聞いた瞬間、オレはカッとなって、黒さんの手を振り払った。
黒さんは、目を瞠っていたが、すぐに自分の失言に気付いたのか、まずった、と言わんばかりに眉をひそめた。
「…り、」
「もういいですっ!!」
黒さんの言葉を遮って、オレは叫ぶと、部屋を飛び出した。
後ろから、慌てた黒さんの声が聞こえたけれど、オレは振り返らずに駆けていった。
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