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「……てか、やっぱり怒ってたんですか。」
「当たり前だろ。…こっちはデートだって浮かれてんのに、他の女勧めるか?普通。」


後半部分は小さく呟いていたので、イマイチ聞き取れない。
…が、かなり機嫌を損ねてしまったのは、雰囲気で伝わった。



「何だか分からないけど、ごめんなさい。後、誕生日おめでとうございます………次は何処いきますか?…………………鴇さん。」

「………へ?」


思い切って呼んでみたら、センセは何とも呆けた顔をしてくれた。



おお、イケメン台無し。


数秒して、漸く理解したのか、バッて顔を背けられる。


えぇー…。


キモいとか言うなよ?
自分で希望したんだからな?

「…センセ?」


「反則だろ。……鴇さんって…夫婦みてーで何か、いいな…。」

ブツブツと意味不明な事を呟くセンセ。
後ろ姿なので顔は見えないが、耳が赤い。



「おーい…。」
「!…おお!…次な!次は………そうだな、ベタに水族館でも行くか?」

「えぇー…男二人で行く所じゃないでしょ…。」

「反論は認めませーん。…ほら、乗った乗った。」


強引に話を進めるセンセに促されて、オレは渋々、ナビ席へ乗り込む。

まぁ、誕生日プレゼント代わりに、少しくらいセンセの言うこと聞いてあげよう。





結局、その日は1日、センセに振り回されて終わった。



数学準備室を訪ねてったオレに、センセが『凛ちゃん専用』と、例のピンクのマグカップをくれたのは…また、後日のお話。




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