Sub
4
ピッ
「黒さ…」
パシッ
「!?」
素早い動きで、オレの手の中の携帯が、御門に奪われる。
「返せっ!」
オモチャをとられた猫のように、オレは携帯を奪い返そうと必死に手を伸ばすが、奴はオレを押さえつつ、悠然と電話に出る。
「よぉ。…久しぶりだな。」
ニヤリ、と唇を歪め、御門は艶美な微笑を浮かべた。
『…またお前か。しつこい男は、嫌われるぜ。』
通話口から、凄んだ、低い黒さんの声が聞こえる。
口調は冷静そのものだが、底冷えのするような声音が、彼の怒りを明確に表していた。
御門は、クッ、と肩を揺らし、低く嘲う。
「黒猫一匹盗まれた位で、随分な取り乱し様だな。…そんなに大事なら、ゲージから出すべきじゃ無い。」
鼻で哂う御門に、黒さんは、抑揚の無い声で、低く吐き捨てた。
『煩ぇよ。躾のなってねぇ犬が、偉そうに吠えるな。…ソイツに手ぇ出したら、殺すぞ。』
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