Sub 2 鳴りだした携帯を取り出し、ディスプレイを見ると、今まさに思っていた人物の名前。 苦笑して、通話ボタンを押した。 「…おはよー、黒さん。」 『…はよ。』 寝起きの擦れた声が、呟く。 眠そう。 まだ、寝ててもいいのに。 『どっか出掛けてんのか?』 「買い物です。…ブランチに、ベーグルでも作ろうかなぁって。」 クリームチーズと、バジル、後はトマトが無いと嫌だったんだよね。 『起こせよ。足と荷台くらいの役にはたつぜ?』 苦笑まじりの声。 失敗したなぁ。 そう言うと思ったから、早めに帰ろうと思ったのに。 苺を買おうか迷っている時間が余計だった。 「大丈夫。もうすぐ着きます。」 話をしている間に、もうすぐ信号が変わりそうだ。 歩行者用の信号が点滅している。 『交差点のトコか?』 電話越しに、車の排気音とかが聞こえたのか、黒さんが確認するように問う。 「はい。信号待ち中……、うぉっ!?」 『凛!?』 . [*前へ][次へ#] [戻る] |