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「……行くぞ。」
「はぁっ?」
オレの手を掴んだまま、センセはレジにマグカップ2つを持っていく。
ええ!?
センセ、お姉さんら呆然としてるよ!
しかもマグカップ2つ買ってどうする気!?
「ちょ…センセ…!?」
レジを済ませても、センセはオレの手を離さない。
しかも何故か、不機嫌そう。
駐車場までの道のりも、センセは無言だった。
…何で……?
オレが何言っても、センセはいつも怒ったりしないから、甘えてたのかもしれない。
いつも生意気な口ばっかりたたくオレに、今度こそ愛想がつきたのかな…?
センセは自分の車までたどり着くと、漸く足を止める。
愛車のディアブロには乗り込まずに、手を繋いだままオレを振り返った。
「センセ…?」
不安な気持ちのままセンセの顔を見上げると、センセはため息をついた。
「…鴇。」
「…………え?」
「今は先生じゃない。…鴇って呼べ。」
「や…無理です。」
つか、何で突然名前呼び?
「誕生日の間だけだ……それで許すから。」
「…っ。」
見た事もない切なげな顔に、オレは思わず息を止める。
…びっくりした。
そんな顔されたら、落ちない女の人なんていないんじゃないかって位、真剣で色っぽい顔。
そんなキメ顔、オレに見せてどうするのさ、センセ。
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