Sub
3
慌て武藤の後を追っかけようとして、テレビが付けっ放しになっていた事に気付き、オレはリモコンを手にした。
―♪
「…?」
消す寸前、速報の音に、オレは手を止める。
『低気圧の影響で、関東地方全域に、大雨警報。深夜には落雷の恐れあり。』
「っ!」
テロップを読んで、オレは息を飲む。
………もしかして。
もしかしなくとも、武藤が、ずっとここに居てくれて、尚且つ泊まってくれるのって、このせい?
オレが、雷嫌いだから。
…苦手だって、知ってるから?
「………。」
オレは思わず笑う。
だって。
何も言わずに、恩をきせるでもなく、ただ傍にいてくれるなんて―――。
格好良すぎでしょ?
武藤。
緩む口元を押さえながら、オレは寝室の武藤を追うべく、テレビとライトのスイッチをオフにした。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
無料HPエムペ!