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「………。」
それからずっと屋上で、ぼんやりと空を見ている。
…視線だけでも上を向いていないと、オレはどんどん暗い方向に行ってしまいそうだったから。
「…大っ嫌いって、言っちゃった……。」
オレは、ポツリと独り言を呟いた。
…嫌いなのは、センセじゃない。
女々しくて醜いオレ。
センセに負担ばかりかけて、喜ぶ事一つやってあげれないオレ自身。
「センセ…」
バンッ!
「凛ちゃん!?」
「っ!?」
突然荒々しく開けられたドアから飛び込んできたセンセに、オレは驚いてガバリと体を起こした。
「何で…。」
センセは膝に手をつき、荒く肩で息をしている。
…もしかして、ずっと探してくれてたんだろうか?
相変わらず息を乱したまま、センセはゆっくりオレに近付いて来た。
「………せ、」
ぎゅうっ
「っ…!」
センセは、オレを引き寄せて、きつく抱き締めてくれた。
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