Main 2 「…そろそろ、また連絡が入るな。」 武藤は携帯を開け時間を確認して、そう呟く。 「治療が終わり次第、帰って来るようだ。」 続けられた言葉に、オレは目を瞠る。 「…入院、しないの?」 お医者さんに大丈夫と言われたなら、大丈夫なのかもしれないけど、万が一って事もあるし…出来れば1日くらい様子見して欲しいんだけど。 「…許可無く抜け出してる訳だから、朝までに戻った方がいいと判断しての事だろう。」 オレが心配げに表情を曇らせたのを見て、西崎は困ったように僅かに眉を下げた。 …そか。 大事にしちゃったら、オレと陽のゴタゴタも明るみに出る。 イコール 会長に見つかるとか、 親父にバレて転校とか、 最悪なシナリオばかりが浮かぶ。 そんな配慮までさせてしまった事に、オレは自己嫌悪だ。 「…取り敢えず、オレはいつでも対応出来るように、一旦、部屋に戻る。」 西崎は冷静な顔付きに戻ると、 何かあったら携帯に連絡しろ、と言い残して自室へ帰っていった。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |