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「…そろそろ、また連絡が入るな。」


武藤は携帯を開け時間を確認して、そう呟く。


「治療が終わり次第、帰って来るようだ。」


続けられた言葉に、オレは目を瞠る。


「…入院、しないの?」


お医者さんに大丈夫と言われたなら、大丈夫なのかもしれないけど、万が一って事もあるし…出来れば1日くらい様子見して欲しいんだけど。


「…許可無く抜け出してる訳だから、朝までに戻った方がいいと判断しての事だろう。」


オレが心配げに表情を曇らせたのを見て、西崎は困ったように僅かに眉を下げた。


…そか。
大事にしちゃったら、オレと陽のゴタゴタも明るみに出る。


イコール
会長に見つかるとか、
親父にバレて転校とか、
最悪なシナリオばかりが浮かぶ。


そんな配慮までさせてしまった事に、オレは自己嫌悪だ。


「…取り敢えず、オレはいつでも対応出来るように、一旦、部屋に戻る。」


西崎は冷静な顔付きに戻ると、
何かあったら携帯に連絡しろ、と言い残して自室へ帰っていった。


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あきゅろす。
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