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「書記の名雪圭吾は、父親は有名デザイナー。母親はモデル。姉と妹もモデル。…奴自身は、中等部に上がる迄は絵画コンクールを総なめする神童だったらしいが、上がると同時に辞めたらしいな。理由はわからんが。」
…ただの爪フェチの人かと思ってた。
「…最後は、会計の日下部京一、だが…」
何故か西崎は、そこで言葉を区切り、オレをじっと見る。
「……な、何?」
「…お前の話を聞いていて思ったんだが、お前は会長と名雪には警戒しているが、他の二人…特に日下部に対して警戒が薄いように感じた。」
「…それは、」
確かに…そう、かも。
だって日下部先輩には、今日だって守ってもらったばっかりだし。
オレの表情から、言いたい事を汲み取ったのか、西崎は僅かに眉をひそめた。
「他の連中同様、日下部京一も警戒しろ。…敵だという事を忘れるな。」
苦い顔のまま、息を吐くように告げられた言葉。
「…日下部京一は、御門暁良の狗だ。」
「…は?」
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