Main
4
※清水視点です。
テンパりながらも、少年は陽の言葉を理解し、考え始めた。
「えっと…確か、…35人です。」
「そうですか。ありがとうございます。」
ニッコリ笑った陽は、教室を見渡す。
目で席数と、室内の人数を数える。
…オレも数え、またも奇跡を見た。
おいおい、陰さんよ。
なんで室内に35人いるんだ?
お前には影武者でも、いるのか?
「…ぴったりですね。…ちなみに、これで本当に、全員ですか?」
少年は再び訊ねられ、慌て教室を見回した。
「………はい。全員だと思います。」
…おーい。
忘れられてんぞ。陰。
ちなみに、これもアイツの武器の一つ。
存在感が、薄い。
……かなり哀しい特技だが、結構役に立つ。
『陰』としてのアイツは、レア物扱いされていたが、実はたまに、素顔で下の連中の中に交ざってたりした。
髪を金に染めて、青いカラコンを入れたアイツは、目立つどころか、面白い位溶け込んでて、オレらでも中々見つけられない。
つまり、『陰』は滅多に現れないが、凛は『玄武』の配下として、結構チョロチョロ出没していたという、何とも有り難みのない話だ。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!