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※清水視点です。


ガラッ


前の扉を開け、奴が教室へと入った瞬間、後ろの扉から、何と陰が飛び出してきた。


…信じられねぇ。


なんたる奇跡。


呆然としているオレと目が合った陰も、ギョッと目を見開いている。


我に返ったオレは、軽く手を振って、さっさと行け、と身振りで伝えた。

オレの意図を素早く理解した陰は、即座に階段を駆け上がって行く。


…本当、アイツは時々、何かついてんじゃねーか、ってくらい、ツキを運ぶ。

アイツの武器は、方向感覚の良さと、地図の暗記。
そして己自身で集めた、機械では真似できない細かい地理の把握。

それだけではない。
アイツはたまたまだ、と言っていたが、あのカンの良さとツキを呼ぶ力は、立派な武器の一つだ。


「少し、いいですか?」

適当な奴を捕まえて、話を始めている陽は、既に目立っていた。


突然現れた、王子様のような美形に、周りは色めきたっている。


「少々お伺いしたいのですが、…このクラスは何人ですか?」


問われた少年は、陽の笑顔を見て、頬を真っ赤に染めている。


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あきゅろす。
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