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※静視点です。


極平凡な容姿のりっちゃんは、普段のオレだったら絶対に声をかけなかったと思う。
オレ、すげー面食いだし。


でも、腹減ってたし、動くのも面倒だったから、たまたま通りかかった彼の足を掴んだ。


オレが笑いかければ、皆、顔を真っ赤にして何でも言う事聞いてくれるから、りっちゃんも、弁当だけ奪ってサヨナラする気だった。

でもりっちゃんはオレの笑顔見て、嫌そうに顔を歪めた。
…その上怒られて。
オレにしてみたら、正に青天の霹靂?


オレの事嫌いなのかなってぼんやり思ってたのに、お願いしたら、ちゃんと弁当分けてくれたのも、オレ的に驚き。




…だって今まで、オレの周りにそんな人、いなかった。



オレの事好きな奴は、皆、媚びてきて。
オレの事嫌いな奴は、皆、襲い掛かってきた。



りっちゃんはオレに、媚びたりしない。
りっちゃんはオレに、襲い掛かってもこない。


きっと、あんまり興味がないんだと思う。


でも、悪い事したら怒って、お願いしたら、自分のお昼を半分くれた。


りっちゃんにしてみれば、真っ当な事なんだろうね。
でも、そんな普通の人間扱い、オレは、初めてされたんだ。


いつの間にか、オレはニコニコあり得ないくらい笑ってて。


上っ面だけで笑ったときは、しかめっ面したりっちゃんは、アホのコみたいに笑うオレに、凄く綺麗に笑い返してくれた。




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あきゅろす。
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