Main 2 しずかちゃんのお母さんは、動揺していた事を隠すように、ニッコリと微笑んだ。 「良く存じておりますよ。…先日も、義妹が、お世話になったようで。」 へぇ。 意外と繋がってるモンだな。 良く聞いてみると家元の妹さんが、華道家としてなのか、デザイナーとしてなのか分からないけど、総プロデュースしたバックを売り出すらしい。 …急遽引っ張り出してきたカードは、思いの外、役に立ってくれそうです。 「………静さんは、心配して下さるお友達が沢山いて、幸せね。」 しずかちゃんのお母さんは、内心面白くないだろうに、大人の余裕で、静かに笑んだ。 ………ん? と、いうか今、 沢山、って言わなかった? オレ1人じゃないの?と思ったオレと同じように、しずかちゃんは訝しげに眉を寄せる。 「…母上。他にも、誰か来ているんですか?」 「……知らせるのが遅くなってしまったわね。」 もう、家元の所へ、お通ししたそうですよ、との言葉に、オレとしずかちゃんは、思わず顔を見合せてしまった。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |