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※日下部視点です。


しかし男は、見た事も無いような上機嫌な様子で、藍色の瞳を眇る。


「………?」


怪訝そうに伺う私に気を留めず、男は、何かを脳裏に思い浮かべるように目を伏せ、僅かに口角を上げた。


「…此処に居ると分かった。ならそれ以上は、他の奴にやらせる気はねぇ。」


その言葉に、私は瞠目する。


…飽きた訳でも、諦めた訳でもなかった。


この男にはあり得ない、『執着』の欠片を垣間見る。


酷薄そうな薄い唇を歪め、男は楽しそうに喉を鳴らした。


「日下部。…その『セキュリティの乱れ』と、『音沙汰無い情報屋』…導きだす答えは何だ?」
「…!?」


男の言わんとする事を察し、私は息を飲んだ。


…それだけで判断するのは、些か性急すぎる気はするが、確かにその可能性はゼロでは無い。


我が校のセキュリティに侵入するなど、並大抵の能力では出来ない。

為せる人物となると、かなり限られてくるだろう。



例えば、
名の知れた情報屋


――『ハイエナ』。


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