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※未来視点です。
「…っ、」
ドクン、
と心臓が大きく脈打った。
耳鳴りと、激しい頭痛が襲う。
プレッシャーで、吐きそうだ。
バクバクと早鐘を打つ胸を、自覚もないまま押さえながら、僕は、声を絞りだす。
「……あ、の子…って…?」
声が、不自然に擦れた。
それを、しまった、と悔いる前に、目の前の彼の瞳に飲み込まれた。
「…っ!!」
彼は、綺麗な形の唇に笑みを刷く。
天使の如き美貌が浮かべた笑みは、まるでこの世のものとは思えない位、美しくも妖しかった。
底知れぬ闇を秘めた瞳に、引っ張られる。
為す術も無く、奈落の底へ引きずり込まれそうだ。
「…質問しているのは、オレです。」
ヒヤリとした声音に、斬って捨てられた。
ゆっくりと伸ばされた手が、僕の顎を捕らえる。
「…!!」
恐ろしさに、あがりそうになった悲鳴をどうにか飲み込み、見上げた先の彼は、反論を許さない支配者の顔で、嗤った。
「…もう一度、聞きます。……あの子は、『陰』は、何処にいますか…?」
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