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※未来視点です。


見捨てる?


親が、子供を?


呆然とした僕に、彼は哂う。


「世界は、君が思う程、優しく出来てはいない。」


その言葉に、僕は顔を赤くし、俯く。


――安い同情を、見透かされた。



嘲笑う瞳が、『甘やかされて育った坊っちゃんに、同情されたくは無い。』と言っているようで、僕は恥ずかしくなった。


「いつ死ぬとも分からない子供に、親は失望しました。世間体を考えて、放置される事は無かったですが、近付く事も無かった。」


悲しむ素振りも、憤りも無く、淡々と語り、彼は長い足を組み替える。


「たまにメイドや医者が来るくらいで、あとは広い部屋に、ずっと一人だった。…ガキの頃は純真でしたから、自分の体が弱いのが悪いんだ、なんて健気に考えてたりもしましたよ。」


そう彼は、苦笑した。


「…健康になれば、…いい子にしていれば、両親は帰ってきてくれる、……そう本気で思っていた。だから、『痛い』も『苦しい』も、言わないようになった。」


馬鹿馬鹿しい事この上ないが、ガキなりに真剣だった。
そう彼は、息を吐くように呟いた。


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あきゅろす。
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