Main Side 未来 ※未来視点です。 「昔話をしましょうか。」 キラキラと輝く、陽光を紡いだようなプラチナブロンドの彼は、異国の王子様のような、綺麗な笑顔を浮かべて、そう言った。 姿も、笑顔も、 斎藤が呼んだように『太陽』そのものな青年。 けれどその瞳は、深遠の淵のように、 底知れない闇、そのものだった。 「………。」 その瞳にのまれ、僕は、言葉を返す事も出来ない。 彼の部屋に半ば強引につれてこられたけれど、別に乱暴な扱いを受けたわけではないのに。 今まで出会った人の中で、誰よりも 僕は、この人が、怖い。 冷や汗で冷たくなった掌を握り締め、俯いたまま、身動ぎ一つ出来ない僕を、全く気にせず、彼は笑顔のまま話始める。 「…小さい頃のオレって、凄い体が弱いガキだったんですよね。」 オレの向かいのソファーに深く身を沈めた彼は、懐かしんでいる様子も無く、淡々とそう言った。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |