Main 4 「!?」 玄武さんより高めの、けれど耳に心地よい落ち着いた声。 意識を取り戻したって聞いてたし、一緒に戻ってきてるんだから、不思議でもなんでもないのに。 それでもオレは、声が上手くでなかった。 「…………あ、おさ…」 絞りだした声は擦れていて、さぞや聞き辛いだろうな、なんて思っていると、電話越しに短く笑い声がした。 多分浮かべているのは、大人びた苦笑。 しょうがねぇ奴、みたいな顔で笑っているんだろう。 『なんつー声出してんだよ…阿呆。』 「……だっ、て…」 …怪我は、 怪我は、大丈夫なんですか? 痛いですか、辛くないですか、 もう、心配ないんですか…? 取り留めの無い思考に、オレが言葉を紡げずにいると、青さんは全部お見通しな様子で短く嘆息した。 『オレは無事だ。…だから、くれぐれも迎えに来たりすんじゃねぇぞ。』 「えっ…?」 . [*前へ][次へ#] [戻る] |