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仲間


「西崎は今日、誰よりも早く教室に来てたんだよな。日直のオレより。」


睨み付ける西崎を無視し、羽生はそう話し始めた。

西崎は、オレより大体早いけど、一番乗りする程には早くない筈。
たまに途中で追い付くし。


何の為に?
そう考えて、一つ思い至る。

自惚れかもしれない…でも、オレの為、だったりするのか?


武藤が、オレの靴を気にしてくれていたように、西崎も……?


考え込んだオレを見て、羽生は表情を変える。

今までの面白がる様な雰囲気は消え、表情を引き締めた羽生は、真摯な瞳でオレを上から覗き込んだ。


「西崎はさ、お前を全力で守ろうとしてる。…オレは、そんな西崎に、半分賛成で半分反対。」

「……羽生。」


それ以上言うなとばかりに、西崎の視線が剣呑さを増す。
だが食ってかかる前に、西崎を宥める様に牧田が肩を叩く。いつもの軽さが嘘の様に、思慮深い目をしていた。


「西崎。斎藤はお前が思う程弱くないと思うぜ?」


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あきゅろす。
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