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『撫子ちゃん』?
桜子さんとしずかちゃんの会話に出てきてた子?
この子が…と、マジマジと見てしまい、気が付いた。
撫子さんは、桜子さんと同じ顔をしている。
髪形が違うのもあるけど、何より雰囲気と表情が全く違うので気付くのが遅くなったけど、双子だったんだ。
しずかちゃんは、慌てて撫子さんに駆け寄る。
「一人で出歩いて大丈夫?体は平気?」
気遣うように覗き込むしずかちゃんに、撫子さんは、頷いた。
「大丈夫。今日はとても気分が良いの。」
健康的美少女である桜子さんと違い、撫子さんは、あまり体が丈夫ではないようだ。
確かに日の光を知らないかのような、真っ白い肌だか。
「…アレが北條撫子か。」
いつの間にか隣にいた日下部先輩が、オレにしか聞こえないような小さな声で、ポツリと独り言を呟いた。
「…先輩、知ってるんですか?」
「情報だけはな。…北條撫子、志藤家の家元の妹の子…つまり志藤のいとこにあたる。双子で、姉の桜子は志藤の婚約者。妹である撫子は、志藤の兄、尚久の婚約者だ。」
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