Main
3
「…マジで?」
蒼白な顔で、しずかちゃんは呟く。
日下部先輩が頷くのを見て、彼は乱暴に頭を掻き毟った。
「嘘だろ……オレ、自分の仕事位なら、徹夜すれば2、3日で終わるだろって、見積もってたのに…。」
どうやら見た目と違い、案外真面目なウチの副会長は、ちゃんと仕事の事も考えていたらしい。
「『…オレに無断でいなくなったんだ。この位のペナルティは負わせてやらねぇとな。』との事だ。」
日下部先輩は、御門のセリフを口調もそのままに伝える。
暫くうなだれていたしずかちゃんは、フフ…と壊れたように不気味な笑みを浮かべた。
「……上等じゃねーか。」
この志藤静様の、完璧かつ華麗な仕事っぷりを見せてやんよ。
とキレ気味で呟くしずかちゃんと、
『そうか頑張れ』と興味無さげに淡々と言い捨てる日下部先輩を見て、思う。
この人ら、
意外と仲良いんだなぁ、と。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!