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最後は吐き捨てるかのような乱暴な言葉遣いで、しずかちゃんは言うと、立ち上がる。
「…お話はそれだけなら、もう失礼します。」
お父さんの顔も見ず、そう言ったしずかちゃんは、踵を返した。
オレと日下部先輩は、顔を見合せ、お父さんに頭を下げ、出ていくしずかちゃんの後に続く。
「…静!」
その後ろ姿に、お父さんは一方的に話し掛けた。
「後日、弁護士立ち会いの元、発表するつもりだ…先に結婚した者を、後継者とする、と。」
「…っ!!」
しずかちゃんは、バッと振り返る。
「私がお前を指名したとしても、耀子も尚久も、納得はしないだろう。お前は、バックにつく者もいないしな。…だから、」
「だからスンナリとオレが家を継げるように、取り計らって下さったって!?…ふざけんな!!頼んでねぇよ!!!…くだらない争いに、撫子ちゃんと桜子を巻き込むんじゃねぇ!!!」
今度こそしずかちゃんは、激昂した。
オレも、止められない。…否、止める気もない。
「……………。」
肩で息をするしずかちゃんをじっと見つめ、お父さんは、静かに口を開く。
「…最低な事をしている自覚はある。だが止める気はない。」
私には、時間が無いんだ。
そう、お父さんは、もう一度繰り返した。
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