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しずかちゃんが辛そうに顔をしかめ、掌をキツく握り締めるのを、オレは、ただ呆然と見守る事しか出来なかった。


家を、継ぐ?


重い言葉を消化しきれずに、オレは空回りする頭で、必死に情報を掻き集める。


確か、西崎が教えてくれた情報では、
しずかちゃんは、次男だった筈。…しかも、優秀なお兄さんがいるとの事だった。


なのに、――何故?



「…尚久…兄上が、いるではありませんか!貴方達だって、そのつもりで育てていたんでしょう?…何故、今更っ…!!」


しずかちゃんの声は、怒りが込められていた。
…けれど、それ以上に、悲しみや痛みがこもっている。


悲痛な叫びをあげ、立ち上がりかけている彼に、オレは咄嗟に手を伸ばした。


「…っ、」


ギュウッと、掌を握る。


しずかちゃんは、オレを見て、目を僅かに瞠った。
その目をじっと見つめ、
伝われ、と願いながら、繋ぐ指に力を込める。





…落ち着いて。


大丈夫、此処にいるから。





一人じゃ、ないからね――?


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