Main 2 本来なら、予想し得た事態だった。 でもオレは案外テンパっていたらしく、全く考えが及んでいなかった。 しずかちゃんの家に、お父さんのお見舞いに来るって事はさ、 即ち、学校…生徒会関連の友人である可能性を。 そう。 すぐそこで、オレを凝視している、 日下部先輩に、会ってしまう可能性を、失念していたんだ。 「…はじめまして。静さんの後輩にあたります。斎藤凛と申します。」 さっき、しずかちゃんのお母さんに言ったセリフを繰り返しながら、オレは自己嫌悪に陥りそうになっていた。 しずかちゃんのお父さんが、しずかちゃんと話をし始めても、オレは日下部先輩の視線を感じている。 …そりゃそうだよね。 オレは、急すぎる展開に、パニくって忘れてただけだけど、日下部先輩にとっては、まるっきり予想外。 ここでオレ参上★なんて、普通考えない。 偶然知り合った地味系後輩と、生徒会の仲間が、知り合い…しかも家まで来ちゃうような仲だなんて。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |