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しずかちゃんの言葉…特に『父上の許し』の辺りで、しずかちゃんのお母さんは不快そうにピクリと眉をはね上げた。


「…あらそう。ではお父様にお願いしなくてはね。静さんが早く戻れるように。」


ニコリ、と唇だけで笑ってみせたお母さんに、しずかちゃんも口元だけで笑み返す。


「ありがとうございます。母上。」


………怖ぇー。二人とも、目が笑ってないよ…。


「………ところで、静さん。其方の方は、どなたかしら?」

「…っ。」


今迄空気と化していたオレに、突然話題が向き、オレはゴクンと息を飲む。



しずかちゃんの肩が、ビクリと揺れた。


「……………。」


オレを庇うように、半歩前に出たしずかちゃんを見て、オレは覚悟を決める。


庇われる為に、此処に居るんじゃない。
隣に立つ為に、来たんだ。


スイ、としずかちゃんの横に出て、オレは笑顔で、しずかちゃんのお母さんにお辞儀をした。


「…はじめまして。静さんの後輩にあたります、斎藤 凛と申します。」


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