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「…………?」
襖を背に、張り付くみたいな格好のしずかちゃんを見ると、何故か彼は、さっきのオレみたいに顔を真っ赤にしている。
テンパるしずかちゃんを見て、何か逆にオレは冷静になってきた。
真っ赤な顔でも美形な彼の顔を、マジマジと見つめていると、視線に耐えきれなくなったように、しずかちゃんは、ふい、と顔を逸らす。
…何か可愛い生き物がいる。
男前なのに、照れる様が可愛いとかズルいよね。と、至極どうでもいい事に思いを馳せるオレ。
無言が数秒続き、やがてポツリと、小さな呟きが落ちた。
「…………………ゴメン、ね。」
「…!!」
真っ赤な顔で俯きながら、此方を窺うように、目線だけ寄越すしずかちゃんに、オレはズキューン!!と撃ち抜かれそうになる。
だって、ワンコがいる!!
毛並みの良い大型ワンコが、耳と尻尾をへたらせ、でもって『怒ってる?怒ってる?』みたいな顔でオレを見てるんだよ!?
怒ってなんかないさ寧ろドーンと来い!!
ムツ○ロウさん並みに、ヨーシワシャワシャしてやんよ!!
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