Main 3 「……………りっちゃん?」 林檎も負ける位、顔を真っ赤に染め、チューされた方の手を握り締めるオレを、しずかちゃんは見開いた目で見つめ、もう一度名を呼んだ。 そうだよ、オレだってば。 なんで彼女さんにするみたいに、無駄に甘い朝を演出して下さってるんですかアナタは!! 「………え?…あれ?………夢、だよね…?」 何故かしずかちゃんは、混乱したように何かを呟いた。 テンパっていたオレは、そんな言葉の意味なんて、考えてなかったけど。 「………………りっちゃん、」 「……なに。」 「…………これ、現実…?」 「…勿論。」 「………、…っ!!」 オレの言葉を聞き、頭の中で繰り返すかのように、数秒、固まっていたしずかちゃんは、息を飲み、突如ガバリと起き上がった。 「………っ」 「うわっ!?」 頭突きしそうになるのを、慌てて回避。 起き上がったしずかちゃんは、素晴らしい身のこなしで、オレから離れ、飛び退さる。 おお。 オレがさっき、やりたかった行動だね。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |