Main キラキラ 「………………。」 障子越しの光と、遠くから聞こえる小鳥の囀りに、ゆっくりと意識が浮かび上がってくる。 「………………。」 もう朝か。なんて、ぼんやりと考えていると、肩と首が痛い事に気付く。 …ああ、昨日あのまま寝ちゃったんだ。壁に寄り掛かって。 眉間にシワを寄せつつ、ゆっくり目を開ける。 「……………………。」 ぼー…っと頭が働かない状態のまま見つめる先には、寝顔も美しすぎる美形さんがおりました。 障子越しの明かりに照らされ、柔らかな光を放つハニーブラウンの髪。 タレ目がちの甘い目元、伏せた長い睫毛。 薄く引き結んだ唇や、シャープな顎から頬のライン。 いつも浮かべている笑みのない、しずかちゃんの顔は、思わず感心してしまう位、整っていた。 あの緩い感じの笑みが、人懐っこさを醸し出し、近寄りがたい雰囲気を緩和させてんだな。 「………………、」 「あ。」 じっと不躾に見つめてしまったせいか、彼の眉間にシワが寄り、瞼が震え、目覚めの兆候を見せる。 「………………。」 やがて、ゆっくりと目蓋を押し上げ、金茶色の瞳が現れた。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |