Main 暗殺!? 「君っ!!」 「へ?」 聞き慣れない声と共に、後ろから突然襟首を引っ張られた。 おおっ!? ガシャーンッ!! 「うひゃっほーーいっ!!?」 ああ、ヘンな声出た。 冷静に己に突っ込んでいるオレの足元には、散乱した元鉢植えだった破片。 上を見上げれば、3階の窓が開いてる。 …おいおいおい。 流石に死ぬよ?死んじゃうよ?? 「…怪我はないか?」 「へ?」 声を掛けられ、漸く、誰かの腕に抱き留められている事に気付いた。 …おお! 顔を上げて、思わず心中で、呟いた。 きっとオレは今、金運ではなく、健康運でもなく、美形運があるんだ、と。 見上げた先のその人は、かなりの美人さんだった。 縁無しメガネの奥の、釣り上がり気味の黒檀の瞳や、サイドだけ少し長めの真っ直ぐな黒髪が、まるで日本人形のようだ。 男前ってよりは、完璧、美人って言葉の方が似合う。 怜悧って言うのかな…触れたら切れそうな知的美人。 「…君?」 「はっ…!」 しまった!恩人を放置してトリップしてた! 知的美人は、怪訝そうに、柳眉を寄せている。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |