Main
6
的外れすぎる。
突然何言ってんだ。話の腰折りすぎだろ。
…でも、言ってしまえば、自分が何より知りたかった事はそれなのだと分かった。
それ以上声が出なくて、無言のまま携帯を握り締めていると、電話口から、小さなため息が聞こえた。
困ったような…けれど慈しむような、甘い声で青さんは、
『馬ぁ鹿』
と息を吐くように呟く。
『…オレを、その辺の雑魚と一緒にするんじゃねぇ。』
揶揄するような物言いさえも、何処か優しくて。
オレは電話を握り締めたまま、上がりそうになり嗚咽を堪えた。
『あの馬鹿ごときがオレ様に致命傷負わせるなんざ、百年早いんだよ。こんなもん掠り傷だ。』
オレ様口調の上から目線。
けれどそれさえも、オレへの気遣いに溢れていて、
やがて、困ったような声が、小さく呟いた。
『……………大丈夫だから。…泣くな、馬鹿。』
多分オレが泣き止めないのは、貴方の優しさのせいです。
なんて青さんのせいにしながら、オレは泣きながら笑った。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!