Main 3 ※???視点です。 「…だったら、オレも適任じゃねぇだろ。」 オレが苦い気分のままそう呟くと、男は短くため息をついた。 「…全くだな。」 聞きたい事は分かっている。 そしてオレの答えも決まっている。 「……それでも、敢えて聞くぞ。」 そして、コイツもオレの答えを分かっている。 なのに、なんて滑稽な。 「アイツの反応を、どう思う。」 「黒に限りなく近いグレー。」 即答する。 馬鹿だな、オレら。 お前は、情報から導きだした推測でアイツに近づいて、オレはただお前のオマケで一緒にいただけだ。 なら、その推測が真実に近い事を喜ぶべきだ。 そして、これから為すべき事も、分かっている筈。 私情を挟むなんざ、似合わなすぎで鳥肌もんだ。 オレらには、オレらの似合う場所がある。 瞳を伏せていた男は、次の瞬間には、冷徹な『ハイエナ』の顔に戻っていた。 「…で?どーすんだ?」 オレの言葉に、奴はパソコンに向き直る。 カタカタと音を鳴らして、開いた画面をオレの方へ向けた。 「…嵐が来る。」 「……!…………こいつら。」 画面に映る数人の男の顔には、見覚えがあった。 「…この嵐が、良くも悪くも、決定打をくれるだろう。」 男は、辛いのか、安堵したのか、どちらとも言えないような顔をした。 ぬるま湯のような時間が、終わりを告げる。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |