Main 3 ※静視点です。 「気に入ったのでも見つけたのか?」 珍しくも、そんな風に聞いてくる。 コイツが興味を持つなんて珍しい。 そんなに、オレが誰かを気に入るって珍しい事かなー? …確かにオレって、誰にも執着しないタイプだし。 でも、そんな事どうだっていい。 オレは携帯を取り出し、すり、と頬を寄せる。 「うん。…気になるコが、出来た。」 オレが嬉しそうに笑うと、奴は途端、物凄く嫌そうな顔をした。 「乙女かよ…マジキモいぞテメェ。」 シツレイだなー…、まぁ自分でもちょっとそう思う。 「…ま、んな事どうだっていい。……それより例の件はどうなった。」 切り替えた奴は、低い声でオレに問い掛けた。 さっきまでの張り詰めた空気が、再び戻る。 「んー…まだ見つかってないよ。つか、情報屋の方はどうなの?」 オレの返答に、奴は苛立ったように、乱暴に舌打ちする。 その様子だと、情報屋からは、まだ連絡がないのだろう。 オレがため息をつくと、藍色の瞳が、剣呑さを増した。 「そもそも、この学校にいるかさえ分かってない相手を探すなんて、かなり無ぼ「黙れ」……。」 オレの声を遮った奴の声は、殺気に満ちている。 その声と視線だけで、人が殺せそうだ。 「オレが、探せと言ってんだ。…テメェに拒否権はねぇんだよ。」 威圧的に言い放つその声は、絶対的な支配者そのもの。 ……コイツを敵に回して、生きていられる奴なんているのかね。 ……あぁ、いた。化け物が、1人。 心の中で一つため息をついて、オレは顔を引き締めた。 「了解しました…総長。」 . [*前へ][次へ#] [戻る] |