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※静視点です。


「気に入ったのでも見つけたのか?」


珍しくも、そんな風に聞いてくる。
コイツが興味を持つなんて珍しい。


そんなに、オレが誰かを気に入るって珍しい事かなー?


…確かにオレって、誰にも執着しないタイプだし。



でも、そんな事どうだっていい。



オレは携帯を取り出し、すり、と頬を寄せる。


「うん。…気になるコが、出来た。」


オレが嬉しそうに笑うと、奴は途端、物凄く嫌そうな顔をした。

「乙女かよ…マジキモいぞテメェ。」


シツレイだなー…、まぁ自分でもちょっとそう思う。


「…ま、んな事どうだっていい。……それより例の件はどうなった。」

切り替えた奴は、低い声でオレに問い掛けた。

さっきまでの張り詰めた空気が、再び戻る。


「んー…まだ見つかってないよ。つか、情報屋の方はどうなの?」

オレの返答に、奴は苛立ったように、乱暴に舌打ちする。

その様子だと、情報屋からは、まだ連絡がないのだろう。

オレがため息をつくと、藍色の瞳が、剣呑さを増した。


「そもそも、この学校にいるかさえ分かってない相手を探すなんて、かなり無ぼ「黙れ」……。」

オレの声を遮った奴の声は、殺気に満ちている。
その声と視線だけで、人が殺せそうだ。


「オレが、探せと言ってんだ。…テメェに拒否権はねぇんだよ。」

威圧的に言い放つその声は、絶対的な支配者そのもの。



……コイツを敵に回して、生きていられる奴なんているのかね。
……あぁ、いた。化け物が、1人。


心の中で一つため息をついて、オレは顔を引き締めた。





「了解しました…総長。」



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