[携帯モード] [URL送信]

Main
13*
※清水視点です。


「………で、でもっ」
「でもじゃねえ、…足手纏いだ。」


少年の言葉を遮り、言い放つと、少年は息をのんだ。


冷たいようだが、今の状況を見るに、誰かを守りつつ戦える余裕が無い。


少年は一瞬迷うように俯いたが、すぐに決意をした目で立ち上がった。


それでいい。


「行かせると思います?」
「っ、」


陽は素早い身のこなしで近づき、少年に手を伸ばす。


咄嗟に二人の間に割り込み、陽の手を掴みあげると、陽はニヤリと笑い、逆にオレの手を強く握ってきた。


「…ぐっ!!」


ナイフでつけられた深い傷口に、ギリ、と爪をたてられた。


焼け付くような、鮮烈な痛みが走る。

新たな血が溢れ、オレの腕をつたい、カーペットに赤黒い染みが増えた。


痛みに気をとられた一瞬の隙に、思いっきり膝蹴りが腹に食い込んだ。


「っ…!!」


カラカラ…カツン


衝撃で、ポケットに突っ込んだままだった携帯が飛ぶ。


壁にぶつかって止まったソレに、少年が手をのばす。


ブブ…と振動している携帯に、オレは嫌な予感がした。


.

[*前へ][次へ#]

29/97ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!