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9*
※清水視点です。


ヒュ、バシッ


遠慮も何も無く、繰り出される陽の拳を避け、次の攻撃も受け止める。


コイツは急所ばかり執拗に狙ってくるので、逆に攻撃パターンが読みやすい。


スピードとキレと、自分のダメージを気にしない厄介さがあるが、それさえ把握していれば、簡単にやられたりしない。
そもそも、オレはコイツにタイマンで負ける位なら四天王の名前なんて受けとらなかった。


右ストレートを寸前で避け、ガラ空きの左頬に、加減無く拳をたたき込む。

ビュツ…ガンッ!!
「っ…!!」


陽の体が、グラリと揺れる。
後ろに吹っ飛ぶ事は無かったが、陽はその場に膝を付いた。


オレの拳を受けて、不様に倒れなかったのは誉めてやろう。





だが、まだだ。




唇に滲んだ血を、手の甲で拭っている陽を、オレは冷めた目で、見下ろした。



「…立てよ。」



冷めた口調と裏腹に、腹の底から沸き上がる狂暴な衝動に従い、オレは拳を握りこむ。


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