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※清水視点です。
ガタン、
リビングから、再び物音がした。
「………や、めっ…」
聞こえた、か細い声に、オレはリビングへと踏み込んだ。
「……!」
リビングの光景に、オレは目を瞠る。
細身の少年の首を片手で掴み、壁に押しつける陽。
少年は苦しそうに陽の手を剥がそうと、藻掻いていた。
ガッ…ダンッ!!
「…っ、」
「…何してやがる。」
背後から陽の肩を引っ掴んで、壁に叩きつけた。
少年はよろけて、床に崩れ落ち、むせたように咳き込んでいる。
「…青じゃないですか。」
壁に背を打ち付け、表情を一瞬歪めたが、直ぐに陽は、飄々と笑ってのけた。
「何です、突然。乱暴だなぁ。」
この状況に全くそぐわぬ、のんびりとした口調に苛立ち、オレは舌打ちする。
「…何やってんだ。テメェはよ。」
低く凄むと、陽は、ニィ、と口角を吊り上げた。
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