Main 3 西崎の言葉に、オレは目を丸くする。 「…狗、って。…確かに生徒会会計としても、《ケルベロス》の幹部としても、日下部先輩にとって会長は上司になるんだろうけど…でも、」 「その《ケルベロス》の事も、おかしいとは思わないのか。」 「…え?」 西崎はオレの言葉を遮った。 ぶつけられた疑問、というよりは確認に、オレは戸惑う。 「…あんな四面四角な男が、何故、族などに入っているのか、疑問に思わないのか。」 「………それは、思った…。」 先輩は外見内面ともに、そーゆー場所が似合わない。 喧嘩もするし、さぼりもするけど、基本真面目で、常識人。清廉な精神の持ち主だと思う。 何で、《ケルベロス》に入っているのか疑問に思ってた、けど。 「日下部京一の父親は、御門暁良の父親の側近。懐刀と呼ばれる男だ。」 「…、え…?」 「日下部京一も、御門暁良を守り支えるべく、本家から派遣された存在だ。…つまり、奴が御門を裏切る可能性は、万が一にもない。」 . [*前へ][次へ#] [戻る] |