Main 3 「……全く。…この馬鹿は。」 西崎は疲れたように、額に手をあて、ため息をついた。 「……打首獄門は?」 チラ、と西崎を窺うように見上げると、西崎は暫く無言でオレを見た後、おもむろに拳骨を振り上げた。 ゴン。 「痛ぁっ!!」 躊躇い無く脳天に振り下ろされた拳骨に、オレは頭を抱えた。 痛ぇ!! 目から火花出るかと思った! うー、と地味に痛みに耐えていると、西崎は、も一回ため息をついた。 でも、さっきのため息よりも、心なしか、軽い。 しょうが無い奴だな、みたいな。 「…西崎?」 「……取り敢えず、この件はソレで許してやる。」 半目で見下ろしながらも、その声は優しい。 …何だかんだ言って、西崎って、面倒見いいよね。 ついでに付き合いもいいよな(笑) 時代劇ごっこに付き合ってくれちゃうんだから。 「……緊張感の無い顔で笑うな。」 憮然と呟く西崎に、オレは笑って謝った。 「…うん。ごめんなさい、ハルちゃん。」 . [*前へ][次へ#] [戻る] |