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「……全く。…この馬鹿は。」


西崎は疲れたように、額に手をあて、ため息をついた。


「……打首獄門は?」


チラ、と西崎を窺うように見上げると、西崎は暫く無言でオレを見た後、おもむろに拳骨を振り上げた。


ゴン。
「痛ぁっ!!」


躊躇い無く脳天に振り下ろされた拳骨に、オレは頭を抱えた。


痛ぇ!!


目から火花出るかと思った!


うー、と地味に痛みに耐えていると、西崎は、も一回ため息をついた。


でも、さっきのため息よりも、心なしか、軽い。

しょうが無い奴だな、みたいな。


「…西崎?」

「……取り敢えず、この件はソレで許してやる。」


半目で見下ろしながらも、その声は優しい。


…何だかんだ言って、西崎って、面倒見いいよね。


ついでに付き合いもいいよな(笑)


時代劇ごっこに付き合ってくれちゃうんだから。


「……緊張感の無い顔で笑うな。」


憮然と呟く西崎に、オレは笑って謝った。


「…うん。ごめんなさい、ハルちゃん。」


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