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「…で、自暴自棄になって、路地裏で凍死しかけてたトコを黒さんに拾われたワケだ。」


あの人がいなかったら、オレはあの時に、死んでいた。
…例え、生き長らえたとしても、心は、きっと時を止めたままだった。


「…だから黒さんは、オレにとっては、保護者であり、恩人でもある人。」


「…成る程。」


息を長く吐き、西崎は端的に呟いた。


「つまり《陰/陽》に入って黒龍に会ったんじゃない。黒龍に出会って《陰/陽》に入ったワケだ。」


「そーなるね。」


そもそも、黒さんに出会う前は、そういう世界とは全く無縁だったし。


「…そうなると、黒龍は味方、と考えていいな。」


西崎は、難しげな顔で、独り言のように呟く。


「お前は、《ケルベロス》と《陰/陽》両方から探されているのかと思っていたが…」


西崎の言葉に、オレはかぶりを振る。


「正確には、《ケルベロス》総長 御門暁良と、《陰/陽》幹部 陽個人だ。黒さんは、オレの場所知ってるし、連絡もとってるよ。」


「そこだ。」


何処だ。


「…何故、同じ組織である奴に探されているんだ。しかも、頭には連絡をとっているのに。」


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