Main
何あれ?
さて、皆さま!
改めまして、こんにちは。斎藤凛です。
せっかくの昼休みを、ダメな大人に減らされた、可哀想な斎藤凛ですよ!
あの変態クソエロホモ教師、いつか痛い目合わせてやんぜ。月の無い夜は背後に気を付けるんだな……と内心で呪いつつも、教室へ戻ろうとしておりました。
けれどびっくり!その道すがら、変わった物体を発見してしまったのです!!
……以上、テンション高く前ふりを実況してみました。
何、オレって今日、厄日なの?
目の前の物体を凝視しつつ、オレは自問自答する。
今日の朝は、寝坊したせいで目覚○しテレビ見てないんだよね。
カウントダウンで水瓶座は、最下位だったりした訳?誰か教えてくれる??
つーか、運気回復するには、何食べたらいいんですかー!?
教えてお姉さーん!!
――遡る事、5分前。
数学準備室から自分の教室へと、オレは足早に向かっていた。
さっきまでの忌まわしい出来事は忘れて、取り敢えずグーグーと鳴る腹を満たそう。
オレの昼飯昼飯〜☆親友達は待ってて……くれるはずねぇな。
自作のメロディラインに、適当な歌詞をつけ脳内で歌っていたが、途中でセルフ突っ込みを入れる。
西崎は確実に待っていない。断言出来る。
そして武藤は、オレの弁当まで食い尽くす事はあっても、食べずに待っている事はないだろう。
でも賢いオレはちゃんと予測済!教室に置いておくと、確実に武藤に食われるから、ちゃんと手元に持ってきてありますよー。
鼻歌を歌いながらオレは、本校舎に戻るべく記念館の裏の道を歩いていた。
人通りは、ほとんど……否、全く無い。
きっと新一年の中では、こんな通路がある事自体、知らない人の方が多いだろう。
オレは身に沁みついた性分で、色んなルートを模索しているから知っているんだけれど。
うちの学校の本校舎と特別棟は、コの字型に繋がっている。そして数学準備室は、特別棟の端。
渡り廊下を使って戻るよりも、記念館の裏側を突っ切った方が、断然早い。
一応舗装はされているが屋根はないので、雨の日は絶対通りたくないが。
「……ん?」
そんな訳で、ショートカットの途中、オレは、ピタリと足を止めた。
数歩戻って、目を凝らす。
今、目の端に何か映ったような……。
「…………」
オレが今歩いている通路は、直ぐ横に植え込みがある。そして植え込みを挟んだ向こう側には、青々とした芝生が広がっていた。
そしてその広がる芝生地帯に、横たわる物体X。
マジマジと眺めた後、オレは目を擦ってみた。
「…………」
残念ながら、何度目を擦っても、物体は消えない。
うん、見間違いじゃないね。人だ。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!