Main
2
「…その強さに目をつけて、オレは奴を、ボディーガードとして雇った。一匹狼なのも、都合が良かったしな。」
「…情報が漏れるリスクが減るから?」
西崎は、ご名答、と苦笑した。
「…オレもだが、アイツも他人を信じてなかった……いや、興味すら無かった。」
「………。」
菜箸で、卵を巻きながら、オレは押し黙った。
別に、オレも信じてもらえて無いのか、とか疑ったワケじゃない。
…ただ、痛かった。
過去なのだとしても、大切な人達が傷つくのは、とても…痛い。
「…自分と、それ以外。種別はそれだけだ。………まさか、『その他』が追加される日がこようとは、なぁ?」
「…全くだ。」
「え…?」
いつの間にか、背後に立っていた武藤に、西崎はニヤリ、と笑いかける。
理解出来ていないオレを置いてきぼりに、二人は、同じような表情で笑っていた。
のけ者は、寂しいんですけどー。
…………まぁ、二人が笑ってるなら、それでいいけどね。
.
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!