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「…そっか。オレの手料理、そういえばハルちゃんに食べてもらった事なかったね。」


そういえば昼も、いつも、パンばっかり食べてたイメージがある。


「…よし!ハルちゃん、和食と洋食、どっちが好き?」


「………和食。」


西崎は、戸惑いつつも答えてくれた。


「オッケー!今日はオレが、おかん級の腕前をお見せしましょう。」


腕まくりをするオレに、西崎は目を丸くし、次いで笑った。


「……気持ちは嬉しいが、怪我。」


「………あ。」


そういえば、オレ、左手挫いてた。


もうそんなに痛くないから、忘れかけてた。


「うーん…。」


…痛くないから、ちょっとした作業は出来ると思うんだけど。
右利きだし。


米とぎとかがなぁ…。


「あ。」
「?」


いい事思い付いた!


「ハルちゃん、一緒にやろう!」
「……は?」


オレの発言に、西崎はキョトーンだ。


暫くして、理解した西崎は、更に戸惑ったような顔をした。


「……オレは、料理なんてした事が無いぞ?」


「だから、一緒にやろう、って言ってるんじゃん。」


誰だって、初めから完璧に出来る奴なんていない。
オレだって、何度弟と母を病院送りにしかけたか。(笑)


…でも、文句いわずに食べてくれる人がいると、いつの間にか上達するんだよなぁ。
次こそは、美味いもの食わせてやる!って。


笑いかけるオレに、西崎は降参とばかりに、両手をあげた。


「…どうなっても、知らんからな。」


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