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「………あれ?」


「…何だ?」


唐突に声をあげたオレに、西崎は僅かに目を瞠る。



そういえば…



「武藤は?」


「…横。」


「は?」


何か、前に似たようなやりとりがあった気がするけど、それはいいとして…


横?




「うぉっ!?」


言われた通り、横を見たオレは、驚きに変な声を出す。


だって凄い間近に、武藤の綺麗な顔が!!


「寝こけたお前をベッドまで運んで、そのまま、勝手に潜り込んでいたぞ。」


…まぁ、自由人な武藤の行動としては、予想の範疇内だ。
寧ろ、運んでくれてありがとう!みたいな。


「…ハルちゃんは、どうしたの?」


ギシリと、ベッドに手をついて、体を起こしながら、西崎を見る。


「オレはリビングのソファーで。…勝手に、その辺にあったブランケット借りた。」


「それは全然良いけど…風邪ひかなかった?」


空調きいているとはいえ、それだけじゃ寒いんじゃないか?


「平気だ。」


「本当に?……今、暖かいもの用意するから、ちょっと待って。」


「おい…」


オレはベッドを降りて、足早に出てゆく。


部屋から、西崎のため息が聞こえたが、オレは気にしないでキッチンへ向かう。


だから、オレがいなくなった後、目を開けた武藤と西崎が、『相変わらずだな』なんて笑っていた事は、オレは知らなかった。


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