Main 5 ※清水視点です。 「…行きましょうか、青。」 「おう。」 嘆息し、踵を返す陽の後に続き、オレも陰の教室を出た。 …見つからない事に、多少でも落胆している陽を見て、オレは内心、笑いを堪えるのに必死だった。 お前の探している相手なら、コントみたいな方法で逃げて行ったぞ、…って言いてぇ。 本当アイツは、予想を裏切るのが得意だ。 つか、誰かにこれを話した所で信じてもらえる可能性は低いだろう。 よくて、誇張。 悪くて、でまかせ。 そう片付けられんだろーな。 オレでも信じねぇよ。 んなアホらしい事。 「じゃあ、ここで。」 「あぁ。」 自分の教室へと戻る陽の後ろ姿を見送り、オレも教室へ戻るべく、階段をのぼる。 …そーいえば、アイツ、何処行ったんだか。 駆け上がって行った陰を思い出し、ふと思う。 まぁ、隠れる事と逃げる事に関しちゃ、心配ねぇか。 良い気分のまま、オレは口元を緩めた。 「…ホント、飽きねぇな。」 アイツは。 . [*前へ][次へ#] [戻る] |