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「最後に、これをお前に託そう。」
伝説の師匠みたいなことを言って、青さんはオレに何かを差し出した。
「…メガネ?」
それは、ちょっとフレームの太い、いわゆるおしゃれメガネ。
黒縁だが、ガリ勉風ではなく、カッコいい。
「眼鏡はお手軽な変身アイテムだ。簡単なワリに、イメージかなり変わるし。」
眼鏡をかけて、鏡を見る。
…髪の色も変わってるし、もう大分オレっぽくない。
何て言うか、今時の兄ちゃんぽい。
…確かにちょっと勘違いして、はっちゃけちゃった地味男みたいだね…オレ。
「何か聞かれたら、イメチェンだとでも言っとけ。」
「適当っすね。」
言いたいだけ言って、青さんは終了、とばかりに大きく欠伸をしながら、伸びをした。
…まぁ、もうかなり遅い時間だしね。
「…青さん。」
「おい、本名で呼べって…」
「青龍さん。」
「……。」
すぅ、と大きく息をして、オレは真っ直ぐに青さんを見た。
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